マンションと一口に言ってもリノベーションに向くものと向かないものがあるのです。
リノベーションをして住もうとせっかく購入したマンション。
いざ請負会社に見積もりを依頼したら…
- 無垢のフローリングがいいのにできないの!?
- タンクレストイレに憧れていたのにできない!?
- 思い通りにならないのにこんなにお金がかかるの!?
ええー泣
とか、そんなことになったら嫌ですよね…
マンションって戸建てに比べてたくさんの制約があります。
そしてそれはなんとなく見ただけではわからなかったりします。
なのでここで一緒に予習をしていきましょう!
住宅選び9つのチェックポイント
①ラーメン構造のマンションを選ぼう!
②天井と床は2重になってる?
③PSの位置はどこにある?
④水圧を確かめよう!
⑤フローリングの遮音等級は?
⑥窓の位置は大丈夫?
⑦外壁面の丸い開口はどんな大きさでいくつある?
⑧規約は確認した?
⑨搬入経路は入り組んでない?
さて、では上から見ていきましょう!
①ラーメン構造のマンションを選ぼう!
マンションはコンクリートでできていますね。
しかしその中身はどうなっているか知らない方も多いと思います。
その中身が構造に関係してきます。
マンションは大きく分けてラーメン構造と壁式構造というものに分かれます。
リノベーション向きは間違いなくラーメン構造のものです。
なぜなら、壁式構造は専有部の中の壁まで躯体(構造体)なのです。 するとどういうことが起きるでしょう。
いくら間取りを変えようとしてもそれができないのです!
間取りはそれぞれの暮らし方に密接に関わっているため、それが変えられないとなるとリノベーションの効果は半減してしまいます。
なのでラーメン構造がオススメです。
ちなみにラーメン構造はさらに3つの構造に分かれます。 RC造、S造、SRC造です。
なんだよRC?S?アルファベット??となりますが、 RC造は鉄筋コンクリート、S造は鉄骨造、SRC造は鉄骨鉄筋コンクリート造というものです。
細かく書き始めると訳が分からなくなるのでまた改めてこの内容については書きますね。
②天井と床は2重になってる?
これ、ぶっちゃけ意味が分からないと思いますが、マンションは天井と床が2重になっていたり、そのまま躯体(構造体)だったりします。
居室の最低天井高は2.1mです。ですが、2.1m高の居室はものすごく窮屈に感じます。
僕が180センチあるせいかもしれませんが笑 マンションデベロッパーは天井高を低くすることで階数を多くし、多くなった部屋の分儲けようとしている場合があります。
そういうマンションは天井と床が躯体(構造体)だったりします。
なぜ天井と床が2重でないとリノベに向かないのかというと、 天井は電気配線、排気ダクト、照明の設置について、 床は給水、給湯、排水管、ガス管、電気配線等に制約を受けるためです。
これらの経路が確保できない場合、間取りや設備の位置に制約を受ける可能性があるのです。
③PSの位置はどこにある?
PSというのはパイプスペースの略称です。
パイプスペースというのはマンションの最上階から1階まで繋がっている排水管があるスペースです。
排水管というのは勾配を適切にとってあげないと逆流してしまいますね。
逆流してしまうと生活できません。
しかもPSは動かせません。
なのでPSが部屋のど真ん中にあったらまた間取りに制約を受けます。
そして適切に勾配を取ろうと思うと設備からPSまでの高さと距離が問題になります。
キッチンや浴室などの場所がPSによって制限されるのです。
PSというのはマンションにおいて重要な要素です。
購入前に図面などで場所を必ず確認しておきましょう。
だいたい、キッチン等の水廻りの近くにありますよ♪
④水圧を確かめよう!
これはマジで盲点です。 水圧が弱いとシャワーを使うとき、洗い物をするとき等生活の中でめちゃくちゃストレスになります。
マンション全体の設備の給水方式を確認していただきたいのですが、基本的には階数が上になるほど水圧は弱くなります。
タンクレストイレは水圧の制限を受けますので注意が必要です。
まずは内見の時に蛇口をひねって水圧を確認することがオススメです。
水は出ない場合は売主さんや管理人さんに聞いてみましょう!
⑤フローリングの遮音等級は?
今日のマンションの床はフローリング仕上げになっていることが多いです。
また、フローリングは恐らく一番人気の高い床仕上げだと思います。
しかし、マンションでは採用する床仕上げに制限があることはご存知でしょうか。
マンションは集合住宅です。上下左右に部屋が連続しています。
そのため、マンション規約に遮音等級というものが設定されております。
上の階の人の足音がうるさかったら嫌ですよね汗 それをできるだけ回避するための規約があると覚えておきましょう。
マンションの遮音についての規約は大きく4つに分かれます。
1. LL45等級
マンション用フローリングで最も多い種類です。
踏むとふかふかします。慣れていないと最初が違和感を感じます。
2. LL40等級
LL45よりも遮音等級が高い種類です。 LL45よりもふかふかします。
費用も高いので僕は嫌いです笑
3.カーペット以外禁止
なんとカーペット以外禁止という恐ろしい規約です。
ちなみにカーペットはLL40相当です。
4.遮音について規約なし
これは2つの場合が考えられます。
1つは本当に何を使っても良いパターン。
もう1つは2重床の脚に防振ゴムが設置されていてそれが遮音の役割をしているパターンです。
以上4つ挙げましたが、基本的には規約になくてもトラブルを避けるため遮音の機能のある床仕上げを採用しましょう。
ちなみに無垢フローリングを採用したい場合は、遮音シートをフローリングの下に貼るか遮音フローリングを貼ってから無垢フローリングを貼る方法があります。(床の高さが上がるので窓に注意です。)
⑥窓の位置は大丈夫?
マンションにとって窓の位置は重要です。
なぜなら、マンションは窓の位置を変更することはできないからです。
厳密に言うとやろうと思えばできるのですが、組合の許可を取らないといけません。
そしてその許可は基本的に取れません。
以前、前居住者が部屋の内側から外に向かってボコボコ穴を開けてしまったマンションの一室を競売で買ってしまった案件がありました。
その時はなんと、その責任を引き継いで原状回復すると言う罰ゲームのような仕打ちに合いました。
具体的には、構造計算を建築士に依頼し、切断した鉄筋を入れ直し、コンクリートで固めて外部の仕上げもすると言うものでした。
話がそれましたね笑
窓の位置は間取り変更の際、重要なファクターとなります。
それは、窓がないと居室として扱うことができないためです。
窓が無くても問題ないよと言う人がいるかもしれませんが、窓がないと換気と太陽光を取り入れることができないため、生活するのに適しません。カビが生えたり、空気が淀んだりします。
窓は動かすことができないのでリノベの際、間取りに制限を受けます。
それでも無理やり壁を作ることもできるのですが、換気のできないFIX窓のような使い方になる可能性があります。
購入する際は、図面で窓の位置を見ておきましょう。
そして、窓は自分で交換することができないので不具合の有無がないか見ておきましょう。
⑦外壁面の丸い開口はどんな大きさでいくつある?
この外壁面の丸い開口って何を言ってるかわからないよ。。。
その通りだと思います笑 これはエアコンのホースを通すための穴でエアコンスリーブと言います。
まんまです笑
その他にも吸気スリーブも同様に外壁面についていることがあります。
これがないとその部屋にエアコンが設置できません。このご時世、エアコンがないなんて…耐えられませんよね?
こちらも先ほどの窓と同じ話で勝手に穴は開けられません。
このスリーブは見落としがちですが、死活問題になります。
穴がなくても他の部屋から引っ張ったりすることもできるのですが、大分リスキーですし、費用もかかります。
バルコニー側から見てみると確認しやすいですよ!
⑧規約は確認した?
マンションの利害関係人は規約の閲覧ができます。
必ず確認しましょう!
規約はマンションによって全く違います。
住み替えでマンションの購入を考えている方も今のお住まいと同じと考えると辛い思いをするかもしれません。
まず、リノベーションに制限を受けることはもちろん、ペット飼育の有無や、楽器演奏の可否、その他特別な禁止事項などせっかく購入した後でできませんとなると辛いですよね。
規約を変更するのには区分所有者および議決権の4分の3以上の賛成が必要です。
そして、面倒な手続きも必要になるので、中々変更のできるものではありません。
さらに大変なのが規約には載っていないが、不文律となっているものです。
これは現地の管理人さんや掲示板などでしか確認ができないので注意しましょう。
僕はこれを現地ルールと呼んでいますが、規約の通りにしても文句を言われたり、書いてないのにルールが存在していたりと厄介です。
”規約以外でマンション不文律のルールはありますか?”と管理人さんに聞いてみましょう。
⑨搬入経路は入り組んでない?
これも見落としがちです。
マンションはエレベーターを使って搬入することが多いのです。
まずエレベーターに入らないものはリノベにも家具にも使えません。
搬入業者は階段では上げてくれないのです。
クレーン車でバルコニー入れをする場合もありますが、条件が揃わないといけないのと費用も余計にかかります。
エレベーターの入り口が極端に狭くないか、階段の幅は狭くないか、玄関ドアの幅はどのくらいか見ておきましょう。
以外とこれが盲点でリノベ業者も見落としたりしてせっかく選んだものが入らないとかになると悲しいですよね。。
具体的な数字はものにもよるので選定段階でリノベ業者さんにこれ入りますよね?と言質をとっておきましょう笑
と長々と書いてきましたが、この辺りを押さえておけばマンション購入後に泣くこともないでしょう。
リノベ向きのマンションは旧耐震のものや平成初期のものなどが多いですから、作りも古いです。
マンションの作りは変えられないので購入前からプロの意見を聞いてみてもいいかもしれません。
住居、暮らしは人生に大きく関わってきます。
素敵な暮らしは人生を豊かにします。
逆に不満があるとずっとそれがストレスになります。実現させたいことはせっかくだから実現させたいですね。
不動産屋さんは正直ここまでは考えていません。
なので、検討中の販売図面を持ってプロに聞いてみるのをお勧めします。
そこに費用がかかっても、その後を考えたらその方が確実だと思います。
あなたの考えや家族との素敵な暮らしを実現できるマンションを選んでリノベーションをしましょう♪