マンションと同様にまずは販売図面を確認します。
暮らしたいエリアや大きさ、狙っている価格のものを集めましょう!
マンションよりもそれぞれの場所が離れていることが多いので1日の限度は3件ほどかと思います。1件1件をしっかりと確認することが大事ですよ。
内覧の前のチェックポイント
販売図面には土地の広さ、建物の広さ、建ぺい率、容積率、築年数、構造の種類、屋根材の種類、地域の種類などが書かれています。
この情報を元に現地へ行くお家を選びましょう。
築年数の欄で必ず旧耐震かどうかは確認した方がいいです。(旧耐震=昭和56年6月以前に申請された住宅)
そして、違法建築かどうかも確認しておきましょう。違法建築とは土地の条件に合っていない建築のことです。
例えば、100㎡の土地で建ぺい率60%容積率200%だったとします。これは建築面積が60㎡まで延べ床面積は200㎡までの土地ということです。これを超えてしまっていると違法建築となり住宅ローンがつかない場合があります。
同様に再建築不可の戸建にも注意しましょう。戸建住宅は通常最低2m前面の道路に接していなければいけないのですが、それを満たしていない場合再建築不可となります。そうすると建て替えができないので一度解体してしまうと家を建てることができません。こちらもローンがつくのが難しくなります。
地域性や駅やスーパーや病院などの施設の確認を済ませましょう。
グーグルマップで見てみるのもオススメです。
内覧時のチェックポイント
さて、本題の内覧時のチェックポイントです。
戸建ての内覧チェックポイントは多いので頑張って確認していきましょうね笑
戸建ては内部と同じくらい外部のチェックが重要です。外廻りをしっかりと確認しましょう。
外部編
建物の外壁クラック(ヒビ)が入っていないか
建物の外壁や基礎は必ずチェックします。外壁にクラックが入っている場合、十分な耐震性、風への対抗力を有していない可能性があります。また、外壁のクラックがある場合、内部への漏水も考えられるので注意しましょう。ヘアクラック(0.5mm以下のクラック)であれば問題ありません。
基礎にクラックが入っていないか
基礎周りについても同様です。基礎のクラックでは基礎の耐力の不足、地盤沈下などが考えられます。また、基礎もクラックがあると水の侵入が考えられるので注意が必要です。こちらもヘアクラックであればひとまず問題はありません。
外壁の塗膜
外壁の表面を触ってみてください。それで手に白い粉が付着するようなら外壁塗装のタイミングです。同様にサイディング外壁(模様のある板材)の場合は継ぎ目がひび割れていないか、触って白い粉が付着しないかをチェックしましょう。白い粉はチョーキングといってこれが付着するようになると水分を弾くことができなくなっている証拠となります。水を吸収してしまうようになるので内部の防水紙が破れていたりすると構造体への影響も考えられます。
枡が詰まっていないか
特に植物が多い戸建てですと植物の根が枡を押したり、根が内部に侵入して詰まってしまったりします。それでなくても枡に異常があると下水まで水が流れないことがあるので注意しましょう。
越境していないか
土地と土地の範囲を明確にするために境界と呼ばれる石やプレートが置いてあります。まずこれが隣の土地との間にあるか確認しましょう。そして、その境界から購入検討中の土地から建物の一部や植物が線を超えていないか確認しましょう。お隣さんが今は何も言って来ていなくて放置しているかもしれませんが、いつどうなるかわかりません。問題があるかは確認しましょう。
内部編
天、壁、床の仕上げを確認する
天壁床の仕上げを触ったり、目視で確認しましょう。天井には水染みがないか壁は曲がっていないか、水染みがないか、床は凹んでいないか、床鳴りがないかなどを確認しましょう。
ドア、収納扉の確認
面材が割れていないか、ちゃんと閉まるか、勝手に閉まらないかなどを確認します。ちゃんと閉まらなかったり、ドアが勝手にしまってしまう場合には構造の不具合がある可能性があります。
設備の不具合の有無
キッチンや浴室、洗面台、トイレなどの設備は水を流したて排水管から漏れていないか確認したり、水が流れない場合も水染みがないか確認するようにしましょう。浴室乾燥機や床暖房なども同様にチェックしておきましょう。
床下を見てみる
もし床下収納があればそこから床下を覗いてみましょう。そうすると基礎形状がわかります。ベタ基礎(底面がコンクリート)か布基礎(底面が土)が主です。布基礎の場合湿気が地面から上がってくる可能性があるので特に床面に不具合がないか確認しましょう。
玄関ドア、サッシを確認する
サッシが閉まらなかったり、歪んでいたら建物も歪んでいる可能性があります。気をつけてみておきましょう。
バルコニーの防水を確認する
バルコニーの床面は水が下に漏れないように防水を施してあります。防水が弱っていると内部に水が回り、構造を腐食させてしまう可能性があります。防水もクラックが入っていたり、膨らんでいたりするなどの兆候で確認することができます。
中古の戸建てはリスクが高い
戸建ははっきり言って中古で購入するにはリスクが高いです。
しかし、しっかりと確認すべきことを確認し、対処法を考慮して購入するのであれば良い買い物ができるでしょう。
できれば戸建ては特にプロを同行させて内覧すると良いと思います。不具合も見つけやすいですし、直すのにどのくらいの費用がかかるかの目安もわかります。
瑕疵(かし)がある可能性は戸建ての方が圧倒的に高い
戸建てもマンションと同じように大きなポイントとなるのが”瑕疵(かし)”です。
瑕疵についてはこちらの記事をご参照ください。
まず、瑕疵(かし)がある可能性は戸建ての方が圧倒的に高いです。
なぜかと言うと特に木造の戸建てはどこの誰が作ったのかわからないものが多いからです。
これは建築概要書や検査済証の書類を見ないとわかりませんし一般の方が見ても何が何やらと言う印象になると思います。
マンションは施工できるところが決まってきますし、大規模の建築であるため、検査もしっかりと行われます。そのため構造の瑕疵がある可能性は少なくなります。
しかし、戸建ての場合構造計算がされていないことがあり得ます。
構造計算がされていないと言うことは実際に地震が来ないと性能がわからないと言うことです。
恐ろしい話ですよね。これは四号建築というものが構造計算されていない可能性がある戸建に当たります。
具体的には・・・
- 100㎡以下の特殊建築物もしくは特殊建築物以外(住宅・事務所)の建物で
- 木造で2階建て以下かつ延べ床面積500㎡以下かつ高さ13m以下かつ軒の高さ9m以下
- 木造以外で平屋建て以下かつ延べ床面積200㎡以下
という条件の戸建です。
建築基準法第20条第1項四号にて木造2階建て住宅等の四号建築は耐震性等の構造耐力について
イ 当該建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合すること。
ロ 前三号に定める基準のいずれかに適合すること。(構造計算を行うこと)
このイの条件で考えると構造計算の結果がなくても確認申請が通ることになります。
このような戸建は形式的に耐震等級1相当などと謳っています。ただ実際は先ほど言った通り、地震が来ないと性能はわかりません。
そして、私も戸建てのリノベーションの調査でこのような仕様の家に行くことがあるのですが、築20年くらいで2階だけ傾いている家があったりします。
1階から傾いていると地盤沈下、不同沈下が疑われます。(これだったらなんとか直せます。)
2階だけ傾いているということは構造が歪んでいるということです。すぐに倒壊ということはないにせよ、2階だけ傾いている状況というのは建て替えレベルのリノベーションを施さなければ直りません。
つまり、せっかく家を建ててもまた新築の時と同じようにお金がかかってしまうのです。
そんなの嫌ですよね。
そんな実例もあるので注意深く現地を見るようにしましょう!
あなたの暮らしが良くなることを祈ってます!